ほんとうにあった胸糞悪い就職活動の話 面接編(前)
前回の続き
30社以上の書類選考に落ちて意気消沈していた私
失敗を重ねてなんとか書類通過のメールが届き
さぁ、これからが本番だと息巻いていました
スーツにYシャツにネクタイに革靴に鞄
ネクタイの結び方も知らない私は面接前日に何度も何度も練習しました
不器用な私の一面が垣間見えてブログ読者の方々には萌えポイントではないでしょうか?
私はオッサンですよ
当時受けた会社は自宅から電車で2本乗り継いだ先の「通信機器」を取り扱う会社でした
未経験者歓迎という煽りを受けて応募した会社です
私は面接1時間前には既に面接を受ける会社に到着していました
流石に1時間前は早すぎるのでコンビニで興味のない週刊誌をパラパラ捲りながら、2分に一度の感覚で時計を見ていました
早く終わらせたい!
はやる気持ちを押さえられなくなり、私は面接20分前に会社へ出向くという暴挙に出ました(当時はそれくらい前に来た方が評価高いと本気で思ってました)
ノックして「失礼します」とお馴染みの様式美を行った
小さなオフィスに15人くらいの社員がいて、面接担当官である人が私を別室へと案内してくれたものの到着が早かったのでもう少し待って欲しいと言われる
他の人を面接している真っ最中でした
やっちまったぜ
早々に謝罪の算段をつけておかなければ印象悪いまま面接がスタートするかも
いよいよ自分の番が回ってきて再び面接担当官と相間見えた時、私は深々と謝罪した
「こんなに早く到着してすいませんでした」
すると面接官は
「いいですよ!ぜんぜんかまいません」
嘘でもそう言ってくれたので安心した
さっそく面接がスタートするや否や志望動機を真っ先に聞かれる
面接官はノートを取り出して私に見えないよう何かをメモしていた
これが世に聞く面接官の印象評価シートかと唾を飲み込んだ
志望動機は今後のキャリアアップの為とか営業職に挑戦してみたかったとか、営業マンが好みそうな事をつらつらと述べておいた
ここまでは当たり障りない面接
当然、これまでどうして就職してこなかったのかもツッコまれる
それっぽい言い訳を考えてこなかった私は再び暴挙に出る
「実は、社会が怖くて!そういう気持ちに甘えててずっと就職していませんでした!」
「でも、こんな自分を変えたい!そう強く思って甘えを捨てて挑戦しようと思いました!」
「この会社でHさん(面接担当官)のような立派な社会人になりたくて応募しました!」
今考えるとヤバい奴の志望動機でしたが嘘は言ってなかったと思います
言っておきながら落ちたなと自分でも確信していました
しかし
面接担当官
「なるほど!そっかーヘモヘモビンさんの情熱は伝わりましたよ!」
マジかよ!?
面接官「ヘモヘモビンさんはスポーツとかしてました?」
僕「はい。野球を(大嘘)」
面接官「え!実は私も社会人野球やっててね~」
口から出たデマカセが幸いにも話を広げてくれました。いや、でも子どもの頃は遊びで野球してたし嘘じゃないよね
そこから仕事の話や野球の話でワイワイやっていて、面接官は最後にこう告げてくれました
「私としてはヘモヘモビン君と一緒に働きたい。社長には必ず推しておくからね!」
色までつけてくれて受かったなという手応えを感じました
面接担当官にエレベーターホールまで見送られ、私たちは熱い握手を交わした
きっと一緒に仕事しような!俺が育てるぜ!
彼の眼がそう言ってるような気がした
結果報告は一週間後。ほぼ採用決定の私はノンキに構えつつ他の面接など放棄していた
一週間後
家のポストにお祈り通知が届いていた
続く