ほんとうにあった胸糞悪い就職活動の話 面接編(中)
前回の続き
面接で手応えを残し、もう既に採用された気分の私はポストに投函されていた「採用通知」であろう封筒の封を開けた
私の目に飛び込んできた
「不採用」
の文字に頭が真っ白になった
あんなに楽しく会話してあんなに意気投合してあんなに一緒に働こう的な雰囲気出してたのに!?
なして!?(なぜ!?)
Hさんの野郎!(面接担当官)俺を担ぎやがったな~!
舞い上がる俺の事を想像して楽しんでやがったんだ!
ちっきしょう!ちっきしょう!
大人って汚ねぇよ!
その日は不採用通知をゴミ箱にスラムダンクして意気消沈の後ふて寝した
翌日、私のケータイに登録していないアドレスから一通のメールが届いていた
Hさん(面接担当官)だった
メール内容は、お詫びの文章だった
簡潔に言うと
「社長に強く君の事を推したのだけど私の力不足ゆえに理解してもらえなかった。今回は君がダメだったわけではなく経験者を採る事になりました。期待させるような事をしてしまい、ヘモヘモビン君には大変申し訳ないことをしました」
こんな感じだった
普通はこんな謝罪メールなんて来ないよなぁと思い、私はHさんの人柄の良さに応えたくすぐに電話をした
「突然すいません。先日そちらで面接を受けたヘモヘモビンです。Hさんは現在ご在勤でしょうか?」
「あ、ヘモヘモビン君!?」
Hさんが出てくれた
「Hさんですか?メール受け取りました。お気を遣わせてしまい申し訳ありませんでした」
「いえ、とんでもありません。私の方こそ本当に申し訳ない。完全に私の力不足だよ」
こんなカッコいい大人と一緒に働けたらなぁと私は心底思った
「Hさんのような人と一緒に働いてみたかったです。また何かの機会があればその時は是非ともよろしくお願い致します」
私の本心でした。Hさんもそれに応えるように
「私もヘモヘモビン君と働きたかった。ごめんね」
なんとなくこれ以上は蛇足になると感じ、電話はそこで終わりました
面接を受けた会社の商材とかには全く興味なかったけど、Hさんのような人と巡り合えたのが素直に嬉しかった
面接でも圧迫面接とか説教面接くらいは覚悟していたのにそんな素振り一切見せないんだもんな
Hさんのような社会人に巡り会うことができたという事を糧に頭を切り替えることにしました
またそういう出会いがあると思うと面接も悪くないのかなと考えるようになりました
その二日後
アルバイトに勤しみつつも求人サイトと睨めっこしていた私に一通のメールが届きました
またもやHさんでした
メール開封前に期待した事
これってあれじゃね?採用した奴が内定辞退して繰り上げ内定的なやつじゃね?
実際の内容は
『社長がヘモヘモビン君に一度会いたいとの事なんだけど、どうだろう?こちらの一方的な都合だしヘモヘモビン君も忙しいだろうから無理にとは言いません。一度不採用にしている側なので断ってもらっても大丈夫ですよ』
なにこれ?
つまり蜘蛛の糸的な?
社長自らラストチャンスをくれるっていうの?
これ、ドラマとか漫画とかでよくある内定フラグじゃね?
私は二つ返事で面接を受諾した
またしばらくしてHさんからメールが来て
「ヘモヘモビン君の情熱を社長に伝えてくださいね。前、面接で話した感じで良いと思うよ。一緒に働けることを祈っています」
そんなお祈り通知があるの!?この世の中に!?
これって優しい世界的なあれなのかなぁ
なんだ自分の心まで浄化されていくような気持になり、私は逆転内定満塁ホームランを打った気でいた
この時までは
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